出生前診断のこと PR

出生前診断とは?検査の種類や費用など徹底解説

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全ての妊婦さん、加えてご家族は、おなかの中の赤ちゃんが産まれてくるのを楽しみにしていることでしょう。

元気に生まれてくる赤ちゃんがほとんどですが、中には障害や疾患を抱えた可能性があると医師から指摘される事例もあります。

そんな妊婦さんたちの不安を解決してくれるのが「出生前診断」です。

認定された医療機関で受けれる検査ですが、まだまだこの検査については知られていない部分が多く、知識不足の妊婦さんも少なくありません。

ではここから、出生前診断についての詳しい解説と、種類や費用の概要についてご紹介していきたいと思います。

出生前診断とは?

出生前診断とは、胎児に先天的(遺伝的)な疾患や染色体異常がないか、などを調べるための検査のことです。

生まれてくる赤ちゃんの状態をあらかじめ調べておくことで、生まれる前から赤ちゃんに合った分娩方法や育てていく環境を整えるなど、パートナーと相談しながら準備することを目的として行われます。

近年は高齢出産が増えていることから、出生前診断を希望する方も多くなっています。

参照:出生前診断とは 有限会社胎児生命科学センターより

出生前診断の種類や費用の目安

出生前診断とは、妊娠中に胎児の状態を調べる検査のことですが、正確には2種類の方法があります。

それは、非確定検査と確定検査です。

この2つの方法は、検査方法も費用も大きく違いますので、妊婦さんとお腹の赤ちゃんの状態によって受検する内容は異なります。

非確定検査

非確定検査とは、おなかの中にいる赤ちゃんの疾患の可能性を評価するために行う検査のことです。

結果は、「陽性か陰性」もしくは「確率」で出されるので、可能性程度ということも覚えておかなければなりません。

ただ、母体への負担が少なく、流産のリスクがない検査なので、比較的受検する方が多い傾向があります。

新型出生前診断(NIPT)

検査可能周期:10~16週
検査方法:母体からの採血
検査条件:出産予定日の年齢が 35 歳以上の方
費用:20万円前後
リスク:母体からの少量の採血のみでわかるため、母子ともにリスクはなし

コンバインド検査(超音波検査と採血)

検査可能周期:11~13週
検査方法:母体の採血検査
検査条件:希望する人は誰でも可能
費用:1~2万円前後
リスク:母体の採血や腹部に超音波の機械をあてるのみなので、リスクはなし

母体血清マーカー検査

検査可能周期:15~18週
検査方法:母体からの採血によって、胎児における一部の病気の確率を計算する
検査条件:出産予定日の年齢が 35 歳以上の方
費用:2~3万円前後
リスク:検査結果は確率で表されるため、結果の解釈が難しいという欠点あり

確定検査

確定検査とは、赤ちゃんの疾患の診断を確定させるために行う検査のことです。

一般的には、非確定検査をはじめに受け、陽性反応や高い確率が出た場合、確定検査で結果を確定させることがあります。

ただ確定検査は、母体への負担が大きい方法を使うので、流産などのリスクが生じる可能性が高くなります。

このことを十分理解したうえで受検していただく必要があります。

絨毛検査

検査可能周期:11~14週
検査方法:胎盤の組織を構成している絨毛を採取して、染色体検査を行う
絨毛の採取方法は、母親のお腹の上から穿刺して採取する経腹法と腟から専用の器具を用いて採取する経腟法があり、医師と相談の上決定する
検査条件:非確定検査で陽性反応がある場合・医師から確定検査を勧められた場合
費用:10~20万円
リスク:流産や破水等のリスクは約1%で、約100人に1人に可能性がある

羊水検査

検査可能周期:16週以降~
検査方法:羊水中に浮いている胎児由来の細胞を羊水とともに吸引し、染色体検査を行う
検査条件:非確定検査で陽性反応があり、かつ診断を確定させたいと両親が望む場合
費用:10~20万円
リスク:子宮に針を刺すことによる破水、出血、感染のリスクあり
可能性は低いですが、妊婦の体質、体調、胎児の状況によっては約300人に1人の確率でリスクがある

出生前診断が受けられる年齢は?

出生前診断を受けられる(受ける)年齢は、出産予定日の年齢が 35 歳以上の方と決められています。

34歳未満の若い妊婦さんは、基本的にNIPT(新型出生前診断)を受けることができません。

受ける割合はどれぐらい?

出生前診断を受けるかどうかは個人での決定、もしくは医師との相談の上決めることです。

ですが、過去の調査によると出生数100万件余りにおける、出生前診断受検の割合は約7.2%、しかも高齢妊婦数に関しては25.1%の割合で出生前診断を受けています。

参照:どのくらいの妊婦さんが出生前診断を受けているのですか?より

受ける理由

出生前診断を受ける目的は、「出生前に胎児の状態や疾患を調べることで、最適な分娩方法や療育環境を検討すること」です。

もちろん、過去に染色体異常の症例を抱えた胎児を出産した、もしくは家族に染色体異常の保因者がいるという場合は心配になるのは当然です。

ただ、そのような状況ではなくても、赤ちゃんを出産するかどうか決めるために出生前診断を受ける人が多いのも、実情です。

出生前診断による中絶率とは?

出生前診断の受検に関係し、大きく問題になっているのは中絶率の多さです。

もし検査の結果、陽性と確定され、何らかの障害や疾患を持った子供が産まれてくると分かった場合、全体の妊婦さんのうち、9割の方が中絶を選択しているというデータもあるほどです。

中には、産むことを決断される方もおられますが、その数は少なく、中絶手術に踏み切る方の方が断然多いのです。

日本では妊娠22週以降の人工妊娠中絶は認められていないため、出生前診断を受けてから、非常に短い時間で「産むか」「中絶するか」の決断を迫られる可能性もあります。

これは母体にも負担が大きいことですし、精神的にもリスクを伴う決断です。

参照:9割が「中絶」…重い決断迫られる~より

「命の選別」が問題に…

現在、出生前診断に関しては多くの意見があります。

事前に胎児の疾患について知ることが良いことなのか、中絶を決意させる要因になっているのではないかと、「命の選別方法」になりつつあるという見解もあります。

また今現在の日本の法律では、胎児の先天性疾患(障害)を理由とした人工妊娠中絶は認められていないため、出生前診断の結果、人工妊娠中絶を希望する妊婦さんがいても応じない医療機関も多いものです。

全ての方が「中絶」という選択をされるわけではありませんが、その割合が多いため、出生前診断についての意義に疑問を感じる方もおられるようです。

参照:生まれようとする「いのち」を選別しないでより

出生前診断を受けるメリット、デメリット

出生前診断を受けるメリット

・おなかの中の赤ちゃんが元気かどうかを知ることができる

・仮に陽性反応が出ても、事前に知ることで必要な準備や気持ちを整える時間が取れる

・分からない不安から解放される

おなかの赤ちゃんの健康は、妊婦さんとその家族にとって一番の関心事であり、心配な要素でもあります。

出生前診断を受けることで、おなかの赤ちゃんに問題がないと分かれば安心できますし、妊娠期の不安定な精神状態も落ち着くはずです。

また、どんな状態か分からないという宙ぶらりんな状態から解放されスッキリするという、メリットも考えられます。

もし陽性反応が出てしまったとしても、いろいろ調べたり準備するための期間としてプラスに捉えるご両親もおられます。

結果の受け止め方は人それぞれですが、「赤ちゃんの状態を知りたい」という当初の目的だけを純粋に考えれば、結果に左右されることはないのかもしれません。

出生前診断を受けるデメリット

・中絶の引き金になるとの指摘もある

・陰性だったとしても100%ではない

・陽性だった場合、不安が増し、残りの妊娠期間が辛い時間になる人もいる

もちろん、検査での陽性反応は親御さんにとってはかなり精神的に辛いものがあります。

出生前診断を受けたことで、逆に混乱してしまい、産むか産まないかの決断で精神的に参ってしまう方も少なくないと言います。

ですから、どんな結果が出てもパニックにならないように、検査を受ける前からある程度の方針をご両親で話し合っておくことは大切でしょう。